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サステナビリティ経営と事業リスク開示

公開日: : 事業リスク

社会の持続可能性に配慮した経営(サステナビリティ経営)への関心が高まる中で、投資家や消費者まで、様々なステイクホルダーが「環境・社会・ガバナンス」のいわゆるESGの視点から企業を選ぶという動きが出てきました。

そのような流れの中で、サステナビリティを考える企業としては貸借対照表や損益計算書といったわかりやすい財務情報のみならず、非財務情報に意識を向け、非財務情報を積極的に開示するようになりました。ESGはその代表例ですが、一方で企業が事業リスクに対してどれだけ認識をし、具体的にどのような対策を取っているのかも、非財務情報として重要視されてきています。

遡ること2018年6月、金融庁は金融審議会ディスクロージャーワーキング・グループ報告で、企業情報の開示を十分かつ正確、また適時にわかりやすく提供することを求める提言しました。提言の中では開示すべき情報として、財務情報のみならずリスク情報や人的情報、ESG情報などといったいわゆる「記述情報」を有価証券報告書で適切に開示することが、中長期的な企業価値向上につながるものとして重要であるとしました。

もともとリスク情報に関する開示制度は2003年3月期から導入され、既に有価証券報告書ではリスク情報に関しては情報開示が行われています。

しかしながら実際有価証券報告書を見ると、多くの企業ではそのリスク情報は一般的なリスクの羅列となっているものが多く、また、経営を取り巻く環境が変わっても記載に変化がない状態が続き、一部形骸化している向きもありました。

背景として、そもそも一部の企業において、リスクマネジメントについての優先度が低いために十分な対策を行っておらず、結果として開示する情報も形式的なものになってしまっているのでは、という指摘もあります。そうなると、昨今注目されているキーワードでもある、企業の持続可能性にも問題を生じかねず、投資家や取引先から中長期的な観点から敬遠されてしまうことになりかねません。

とはいえ、リスク情報に関する開示がどれほどまで重要な意味を持ってくるか、実感がわきづらいかもしれません。次回、具体的な事例を見ながらリスク情報に関する開示の重要性を検討していきます。

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  • 事業保険アドバイザー:渡辺隆史
    <経歴>
    野村證券で4年、国内損害保険会社で10年勤務。 その後2020年5月から弊社事業保険アドバイザーとして勤務。

    <趣味>
    読書、映画鑑賞、ジョギング

    <出身地>
    東京都江東区

    <自己紹介>
    国内の金融機関を経て、海外の再保険(キャプティブ)知り、この職に就きました。世界最大の自然災害リスクを抱える日本の企業に事業リスク対策保険(損害保険、傷害保険、地震保険、災害保険、賠償責任保険など)を海外のキャプティブを使うことで加入することをアドバイスしています。生保マン、税理士、経営&財務コンサルタントの提携パートナー募集中。

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