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英グリーンシル社の破綻は、東京海上のみの問題ではなく、再保険マーケットの信頼性に関わる問題!?

日経新聞の記事によると、経営破綻した英金融会社グリーンシル・キャピタルの保険を引き受けていた問題で、東京海上ホールディングスのリスク管理体制が焦点となっています。しかしながら、この問題は、再保険マーケットにとっても極めて重大な問題を含んでいます。

事の発端は東京海上が2019年4月に豪保険大手IAGから代理店のBCCを買収したことに遡るとのこと。BCCは、製品の納入先が代金を支払わず債権を回収できなくなった場合に損失を補償する取引信用保険に強いとされていました。

記事によると、BCCはグリーンシルの取引信用保険の契約の窓口となっており、引き受けの審査を担当していました。保険はIAGが元受けで、IAGはリスクの大部分を再保険会社などに出していましたが、東京海上はBCCの買収時にIAGが自社で保有していた残りのリスク部分を再保険で引き受けたとされています。

問題になったのは、BCCの引き受け担当者が職権で割り当てられた限度を超えた額を引き受けていることと、さらには、グリーンシルの保険契約が架空の債権をもとにしたものである可能性があるという点です。

約8000億円以上とみられる債権に保険をかけることでグリーンシルの取引先は安心して取引ができることにつながるため、グリーンシルは信用力を大きく見せるために上記の行いをしたと思われます。

しかしながら、そもそも債権が架空のものだった場合は保険契約が成立していなかった可能性があり、信用力を大きく見せるために、架空の債権を実在のものとして保険会社に申告しリスクの引受けを申し入れたことは、再保険マーケットから見ると、ビジネスの根幹にかかわる重要な問題です。

なぜなら、再保険マーケットは絶対善意の大原則で成り立っており、ポジティブな情報にせよネガティブな情報にせよ、出再者からの情報を全面的に信頼して取引を行うものであり、その信頼関係によって培われてきたビジネスです。

このため、保険カバーを求める出再者の誠意と倫理観が強く必要とされます。この大前提があるがゆえに、絶対善意を逆手にとるビジネスはいずれ信頼を大きく損ねるものだと理解しないといけません。

今回の事故は東京海上から見たら業績に与える影響は軽微とされていますが、保険業界、さらには再保険マーケット全体から見れば、信頼を損なう大きな損害になりかねません。

 

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    • 事業保険アドバイザー:渡辺隆史
      <経歴>
      野村證券で4年、国内損害保険会社で10年勤務。 その後2020年5月から弊社事業保険アドバイザーとして勤務。

      <趣味>
      読書、映画鑑賞、ジョギング

      <出身地>
      東京都江東区

      <自己紹介>
      国内の金融機関を経て、海外の再保険(キャプティブ)知り、この職に就きました。世界最大の自然災害リスクを抱える日本の企業に事業リスク対策保険(損害保険、傷害保険、地震保険、災害保険、賠償責任保険など)を海外のキャプティブを使うことで加入することをアドバイスしています。生保マン、税理士、経営&財務コンサルタントの提携パートナー募集中。

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