再保険マーケットとは?メインプレイヤーの保険料、市場規模はどのくらいか?
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キャプティブの仕組み, キャプティブ関連ニュース
前回は再保険マーケットの機能を中心に、再保険マーケットの本質的な理解を試みました。今回は、再保険マーケットの全体像や、中心となるプレイヤーについて整理していきます。
保険取引自体は世界中で日々行われていますが、再保険マーケットは特定のマーケットが大きな影響力を持っています。ここでは代表的な4つのマーケットを紹介します。
1.ロンドン・マーケット
ロイズ保険組合に代表されるロンドンの再保険市場は、世界的に確固たる地位を築いており、そのため多くの国際的な再保険ブローカーがその本拠地をロンドンに置いています。コーヒーハウスでの貿易保険から発展してきた300年以上もの歴史のため、国際再保険市場においてプライスリーダーとしての機能を持ち、その影響力の大きさからロンドンは再保険マーケットにおける中心的な存在です。一方で、英国のEU離脱(ブレグジット)による影響もあり、その動向が注目されます。
2.欧州大陸マーケット
欧州大陸のマーケットもロンドンと並び歴史が古く、ドイツ・スイスを中心に、欧州大陸の各国や域外の再保険引き受けを活発に行い、成熟したマーケットになっています。中でも、ミューニック・リー(ミュンヘン再保険会社)、スイス・リー(スイス再保険会社)の2社は、欧州大陸はもとより世界の2大勢力としての地位を占めており、国際再保険市場に大きな影響力を与え続けております。
3.バミューダ・マーケット
バミューダ諸島はタックスヘイブンとしてかねてより知られていますが、再保険マーケットとしては新興市場に位置づけられます。新興ながらも税制が有利なことと、保険監督規制が整備されていることもあり、マーケットとしては大きな影響力を持っています。また、キャプティブのドミサイル(組成地)としては世界トップの地位を獲得しています。
4.米国マーケット
米国では再保険マーケットをロイズや欧州大陸マーケットに依存する傾向があったものの、バークシャー・ハサウェイ社に代表されるように、マーケットも大きくなっておりその影響力を強めてきています。キャプティブのドミサイル数としては、全世界で約80あるドミサイルのうち、およそ半数が米国のドミサイルであり、キャプティブを運営する上では重要なマーケットになっています。
なお、日本における再保険マーケットは、トーア再保険株式会社と、家計地震保険の再保険業務に特化した日本地震再保険株式会社の2社が国内再保険会社として引受免許を取得していますが、再保険マーケットは上記海外マーケットと比べると極めて小さいです。日本での再保険ニーズのほとんどは海外再保険マーケットが吸収しているといえます。
次は、世界の再保険マーケットのプレイヤーについて、全体像をとらえていきます。保険会社に対する格付けで知られるA.M.Best社によると、再保険料ベースでの再保険会社のランキングは、次の通りです。
※Lloyd’sは再保険料のみ集計。
ミューニック・リーとスイス・リーが双璧をなしており、それにロイズが続く形となります。また、著名投資家で有名なウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャー・ハサウェイは、第5位に位置しています。
プレイヤーのベースでみても第10位までは全て、英国、欧州大陸、米国、バミューダのいずれかに所在する再保険会社がランクインしており、前述の4つの再保険マーケットがどれだけ重要かが伺い知れます。
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