地震リスクについて改めて考えてみましょう(2)
地震リスクについて改めて考えてみましょう(1)〜地震発生の形態〜
政府の地震調査委員会は2021年3月26日、全国地震動予測地図の2020年版を公表しました。これは、過去に発生した地震の記録や地形が持つ、揺れやすさの特徴などを数値で評価し、確率を算出しています。前回の2018年以来の算出になります。
下の図は、「2020年から30年間に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率」を示した地震動予測地図です。なお、図に示されている確率は、「その場所で地震が発生する確率」ではなく、「日本周辺で発生した地震によってその場所が震度6弱以上の揺れに見舞われる確率」です。
かねてより懸念されている南海トラフ沿いの地域、関東地方全域、北海道の根室、釧路、十勝といった道東エリア等をメインに、赤色または赤紫色で示されております。
同予測によると、都道府県庁所在地で今後30年以内に震度6以上の地震が発生する確率が、28の都市で増えました。中でも東日本大震災の余震など大きな地震が続く東北地方では、全体的に確立が増えました。これは、2018年版までは東日本大震災の余震データが不十分だったために計算から除外されてきたものが、今回の予測で加わったためです。
一方、南海トラフ沿いで発生する大地震について確率が下がったと報告されています。これは従来よりも震源域の多様性を考慮したモデルへ変更したことに伴うとのことで、他にも地盤の詳しい調査データ等を反映した結果確率が下がった地域もあります。とはいえ、高知市や徳島市は、確率が75%と極めて高い状態に変わりはなく、当該地域に居住したり企業活動をしたりする場合はもちろん、南海トラフ沿いの地域では防災やBCPの策定は必須と言えます。
そもそも確率が減少したからと言って地震が発生しなくなるわけではなく、依然注意が必要です。また同予測によると、今後30年間に震度6以上の大地震が起きる確率が「高い」とされる水準は、なんと3%以上からとされており、この場合、札幌を除くすべての県庁所在地において「大地震が起きる確率が高い」という表現にもなります。
常に警戒を怠らないよう注意を促すメッセージとも考えられますし、実際、これまで地震が起こりそうになかったされる地域でも大きな地震が発生していることを考えると、月並みではありますが、「備えあれば憂いなし」地道に実行することが大切でしょう。
最後に、下の図は、1977年1月から2012年12月までに発生したマグニチュード5以上の地震を赤い丸印で示したものです。日本の面積は世界の面積の1%未満であるにもかかわらず、世界の地震の約1割が日本の周辺で起こっています。日本は世界的に見ても地震による危険度が非常に高く、全国のどこでも地震によって強い揺れに見舞われる可能性があります。
(出所)全国地震動予測地図2020年版
我々が世界の中でも最も揺れやすい場所のひとつに暮らしていることを感じざるを得ません。。
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